balideki’s diary

主に韓流ドラマや映画を見て感じたことなどを人生と絡めながら書いています。ネタはばれますのでご注意を

番外編 『麒麟が来る』

終わりましたね、大河ドラマ麒麟が来る』

いつも戦国を描くドラマの中で、裏切り者的に現わされる明智光秀を主役、

それがまた、長谷川博己さん主演。

どんな最後の描き方になるのかなと、一年余り、

”余り”になってしまった、異例の大河ドラマ期間の2020-2021、

地味に楽しみにしていました。

 

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長谷川さん、あなたが麒麟です。

 

いつも、暴君たる姿に変容していく織田信長が、

今回は、サイコパス風な描かれ方。

最初は、こんな若い人を織田信長で大丈夫か?と、

染谷将太君を見ていましたが、凄いですね。

長谷川博己さんと、実際の年齢差を感じさせないような、

役柄の中の変容ぶりでした。

 

サイコパス織田信長を描くことで、

平らかな世を創るという信念を持った明智光秀が、

何故そんな、一見暴挙ともとれる「主君を討つ」行動に出たかを理解し、

歴史の中の明智光秀への、違う目線や解釈を、

歴史にそう詳しくない人でも、持つことができるような描かれ方でした。

 

私などはもう大抵歴史ドラマを見てきましたが、

今回のコロナおうち時間の中で、初めて大河ドラマや歴史ドラマ、

または戦国織田信長明智光秀豊臣秀吉、を見た若い人などは、

歴史ドラマは、フィクションだという認識がまだないだろうから、

きっと、明智光秀が良い人で、織田と豊臣は、悪い人に、

映ったりしたかもしれませんね。

そのうち、歴史ドラマの中で語られた言葉や意図や意志などは、

今の人が想像して創造したものだと、解ってくるんでしょうが。

物事の是非は、立つ位置によって変わってくる。

起きた出来事に是非はつけられないという真理のようなもの、

この世のパラドックスみたいなものが、見えてくるかもしれません。

これまでと違う描かれ方をした明智光秀を見ながら、

そんな事をふと思い巡らせたりしました。

 

さて・・

 

 

長谷川博己さんの、明智光秀

回を追うごとに、見はまりました。

 

明智の光秀の理想とした世の中、戦のない平和な世の中は、

本能寺で織田を討ったことで、後に豊臣と徳川によって、

安土桃山、江戸、明治大正昭和、平成令和とつながり、

今、スピ業界ではアセンションが取りざたされていますが、(笑)

争いのない、平和、協調、思いやり温かさ、愛に満ちた地球、

それは来るのでしょうか。

 

私自身は、おそらくそこへ向かっているとは思っているけれど、

それを世の中全体、または地球全体の半数以上の人が、

そう実感できるところまで自分が生きていられるかは解らないけれど、

いや、寿命を考えたらあと数十年では、35億は無理でしょうが、

今この瞬間、自分が、愛と平和思いやりや温かさを醸し出す人には、

一瞬でなれるはず。

今これを書いている私が、そうだとは言い切れないけれど、

この一瞬後に、そう決めれば、それはそうなるとは思う。

 

先日、とある人に、「結婚の切っ掛け」を聞かれたときに、

「余りにもひどい目にあい過ぎて、この世には、

私が望んでいるような、愛と平和、思いやりや協調などに満ちた世界は、

どこにも落ちてない、と思って、現実的に生きよう、結婚しよう、と

思って結婚したんですね。」と、応えた。

そう思った瞬間をよく覚えているし。

 

そんな理由で結婚を決めておいて、そんなことはすっかり忘れ、

やっぱり求めるものは、自分の心の平穏だとか、

平和で暖かな社会、世の中、世界、地球で、

だけど、どこにも無いと思って選んだ生活だから、

どこにも無い生活と世間が、私に訪れたというのが、

紛れもない事実なんだろうけれど、

まぁ、何にもしないでそれが手に入ると思っていた若さが、甘かったのか、

生まれた環境が辛すぎて、理想妄想の世界に逃げ込んでいたのか、

その前に片付けないといけない、自分の問題が山積していて、

それを片づけるために、辛い思いを沢山続けたのか、

私にはその人生の謎は、まだ解らないけれど、

今わかっているのは、そんな社会を作る、なんてことじゃなくて、

そんな人で在ることが、大切だという事。

「みんながそうなれば。」、と思う前に、

そんな自分から、伝播して、周りも良くなっていくものだという事。

肉体というエゴをまとっている限り、

スピリチュアルを一生懸命訴えている人も、

時々、エゴに飲みこまれいることも多いし。

これ(スピ系)が正しいというエゴね。

かくいう私もエゴまみれだけど(笑)

 

 

そんな、今よりもさらにエゴまみれの世界だった戦国乱世で、

今回のドラマのように明智光秀が、理想とした社会を目指して、

そうなるように、信念をもって生きて、

だけど、その理想は、豊臣秀吉の立身出世エゴの前に、倒れてしまったけど、

 

・・・余談だけど、明智が織田を討った後、

諸大名が沈黙を守ったのは、ちょっと、ほんともっと

根回しできなかったのかなーというか、

もっとみんなの中の、戦国の常識から、

意識の変革の出来ている人が、育っていたら・・

明智さんも、もう少し報われたかも・・と考えてしまう。

 

ドラマの中の話だけど、明智光秀は、長い時間、

そういう社会を作ってくれる、”誰か”をサポートする役目だと

自分のことを思っていて、

自分がリードする、自分が創るんだ、と旗揚げしたけれど、

三日天下という、短い時間で討たれてしまうには、

明智には、自分の欲が無さ過ぎたよね。

ほんまの所は知らないけれど、織田信長の信頼、

周りの信頼を集めていたことを加味すると、

ほんまに真面目に心美しく生きていたんだろうけれど、

欲は、自分を動かす原動力となることもあるから、

いや、自分を動かす原動力は殆どは、欲でしょうが、

欲を抜けて、”何となく”で動くには、時代も意識も

まだ追いついてない。そんな感じがした。

 でも思いが純粋だからこそ、下克上も起こせたんでしょうし。

だからこそ、根回しとかは苦手だったのかな。

 

それにしても、コロナで二ヶ月お休みになった大河ドラマだけど、

最後まで、長谷川さんが明智をやり通せてよかった。

最後の、騎馬のシーンは、最近の大河ドラマには珍しく、

屋外での戦いのシーン、馬で野を駆けるシーン・・

長谷川さんがコロナで撮影中止の時に、

「私の中にはずっと明智光秀がいますから。」みたいな記事を

どこかで読んだことをずっと思い出しながらいていました。

 

またまた余談だけど、韓国の歴史ドラマにはまったのは、

屋外での騎馬のシーンが素敵すぎて・・

特に「朱蒙」の、走りながら矢を放つのがかっこよすぎて、

オマケに、韓国俳優さん、みんな乗りなれてる!!

様になってる、絵になってる、のが日本のドラマでは、

余りないな、というマイナス評価だったけど、

長谷川博己さんの、騎馬のシーンは、なかなか様になっていた。

暴れん坊将軍で、千里浜か九十九里浜を駆けるオープニング映像以来だ。(笑)

 

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素敵だ

話を戻すけれど、長谷川博己さんの温和そうな部分が、

その明智の欲のなさそうな部分、

(女性をはべらかすとか、黄金や舶来品や、

織田や豊臣のように一流の調度品などをむやみやたらと求めない姿が)

と共鳴して、明智の人の好さを奥から押し上げていた。

だからこその、饗応役の時に見せた、明智の顔が、効いた。

印象的でしたよね。

 

 

だけど、難を言えば、

尾野真千子さんと門脇麦ちゃん演じる、伊呂波太夫と駒、

この二人、架空の人物だと最初から知っていたけど、

最終回の二人は、ちょっと・・・

どうなんかなー?と思ってしまった。

 

明智が夢の中で織田信長に見立てた大木を切るシーンは、

精霊の守り人を彷彿させる、ファンタジー感があり、

それでいて最後に、駒が明智を見かけて追いかけるが姿は見えず、

の辺りが、更にファンタジー感で、何かをごまかした様な気がした。

勿論、明智大山崎の戦の後生き延びて、という説もあるし、

実際、そうかもしれないけれど、

明智はもし生き長らえていたら、果たしてそうしただろうか。

京の近くにいただろうか。

追い求めた理想を捨てて、安寧に日々を過ごしただろうか。

豊臣が、ある一定に日本を平定して、これでいいと納得しただろうか。

理想とした麒麟ではないが、これでいったん戦は無いと、

思えただろうか。

 

 

その辺は、想像するに得ないけれど、

あぁ、出来れば、明智は海を渡り、

平らかな大きな世の最大級、世界を地球を、見にいってくれていたら・・

そしたらもっと、この世が平らかになることが加速されて・・?

本木さんが出てきて、”大きな国を創るのだ”と語る映像と、

明智の船出のシーン。

同じファンタジーなら、そんな感じが、私の理想ですかね(笑)

それでいて、世界で見たものを徳川家康に教えて、

徳川幕府の水面下の重鎮となって、「麒麟」として存在する。

とかね(笑)

 

 

それにしても、大河の最終回で、納得できるものってあまりない。

それは、人の人生に完璧が無いからかもしれないね。

ただ、みんな何某かの想いや思いをもち、生きて、

それが歴史で、出来上がった社会に今生きているという事。

出来上がったけど、今まだ道の途中、夢の途中。

”ただ、そうしてきた人たちの積み重ねで、選挙権が有ったり、

男女平等があるんだよ。”と、

歴史に全く興味のない娘に、選挙に行く意義を説くときに話す。

”私らが子供の頃より、うんといい時代だよ。”

たった、数十年だけでも、だいぶ違う。

 

 だからこれから先も、更に時代は更にいい方へ、暮らしやすく生きやすく。

おのおのが、麒麟を胸に抱き。